電動一輪車研究会について

東京工業大学電動一輪車研究会は、電動一輪車(EUC) に関する知識及び技術を習得し、試乗体験会や講習会などのイベントを通じて EUC の認知度を高め、全国的な普及を目指すことを目的として活動しています。ここでは、当団体の活動内容の紹介や展望を説明します。
背景
電動一輪車とは、パーソナルモビリティ(一人用の乗り物)の一種です。英語の Electric Unicycle から EUC とも呼ばれます。ペダルに足を載せて直立して走行します。

他のパーソナルモビリティとしては、日本ではセグウェイが有名です。しかし、現在、セグウェイよりも安価なことから、EUC やホバーボード、電動キックスクーターが注目されています。また、これらは電動であり二酸化炭素を排出しないので、環境に優しい乗り物です。
EUC は趣味の道具としても、実用的な移動手段としても受け入れられている地域があります。たとえば、トルコのイスタンブールでは、警察の市内パトロールに EUC が導入されています。また、中国の深センでは市中を走る EUC を多く見ることができます。
上記地域以外に、アメリカやドイツなどの地域でも、すでに EUC が公道を走行可能な乗り物として受け入れられています。
設立の動機

日本では、代理店を通じて EUC を入手できますが、課題があります。EUC は、道路交通法における車両としての基準を満たしていないことから、公道での走行は認められていません。公的機関は公園や私有地での利用を勧めていますが、EUC 自体が広く知られていないことや、国外における安全運用が知られていないことから、エリアの管理者からの走行許可を得にくいのが現状です。
そこで、東京工業大学を拠点にして、安全性の確保を前提に、EUC の利便性や面白さを広く伝えたいと思い、電動一輪車研究会を設立しました。
活動目的と活動内容

当団体は、本学における EUC の認知向上と普及を目的とし、以下の3点に基づいて活動します。
・法令を遵守した上での安全運転の実践
・EUC 本体の理解を深める
・EUC の指導方法の確立
上記は、EUC 運転者としての安全意識の徹底を図るとともに、より多くの人に安心して EUC に親しんでいただける場面や情報を提供するための具体的な指針として設定しています。
主な活動内容は以下のとおりです。
技能講習会
EUC の走行に関わる技能全般を指導します。
勉強会
EUC の構造や動作原理など EUC を支える技術全般を共有します。
研究開発
EUC の効率的な練習方法の研究や補助装置等の製品開発を行います。
現状

当団体は、2019 年 10 月に設立されたばかりの団体ですが、地道に活動を続けております。現在は、学内向けのコワーキングスペース Attic Lab への参加などを通じて、他団体との連携も取っています。
定期的に初心者向けの試乗会を開催しており、これまでにのべ 100 名以上の方にご参加いただいております。これに並行して、指導者側としても技能向上に努め、技法を模索することで、EUC 運転者の指導方法を見直し続けています。 これにより、EUC 運転者のさらなる人数増加はもちろん、 運転の質の向上も期待できます。
また、これらの活動を通じて得られる知見をもとに、より安全な乗車方法や指導方法を確立させ、ホームページや SNS などを使って、EUC の魅力を発信しています。
今後の展望

今後も定期的(1 ヶ月おきを目安)に試乗会を開催する予定です。
現在の優先事項は、活動を通じて当団体の認知度を高めることです。そして、他団体とも連携しながら、EUC 関連のイベントへの参加人数を増やして、さらなる認知拡大を目指します。
大学発の EUC 団体として、学内にとどまることなく、活動の幅を拡張してより多くの人が参加できるための環境づくりを行っていきます。